毎晩同じ世界の夢を見るツキコ。巨大樹を中心に豊かな緑が広がるその広大な世界には、人はおらず、不思議な生き物だけがのんびりと動き回っている。 現実世界―通っている高校で少し浮き気味のツキコは、唯一の友人ヒナタとの関係にも最近違和感を抱いている。 モヤモヤする現実に比べて自由に過ごせる夢の中は、ツキコの癒しになっていた。ところがある晩、ツキコの大切な夢の世界に、見知らぬ青年が入り込む。 彼は他人の夢の中を「裏世界」と呼んで巡っているらしい。青年とともに、ツキコはさまざまな「裏世界」を知ることになるが―。